■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
なかなか知る機会のない80年代英国の地方都市の様子が描かれ、映画館で働きながら映画は見ない女性の心の成長がつづられる。心優しい青年との出会い、共に働く仲間たちの気遣いも嬉しく、心に沁みる映画が生まれた。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★
若者の失業や移民排斥とドラマや音楽が緻密に結びつけられ、サッチャー政権初期の時代が鮮やかによみがえる。寂れつつある映画館が、社会から孤立した者たちを受け入れる聖域に見えてくる巧みな演出に心を揺さぶられる。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
あ~良い映画を観たなぁという気持ちになりました。優しくも激しい感情をも引き出してくれる一本。これを観てからしばらく何もしたくなかった。余韻を含めて残る時間です。疲れた心に染み渡ります。もう一回観ます!
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★
ノスタルジアとセンチメンタルが過ぎるところもあるが、精神疾患、セクハラ、人種差別などの要素を入れ込むのと、実力ある俳優陣で手堅く魅せる。名手ディーキンスの撮影が冴え渡るシーンが幾つもあり、スクリーンでぜひ。
(構成/長沢明[+code])
※週刊朝日 2023年2月24日号