(c)カトリーヌあやこ
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 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系 日曜22:30~)について、「ざっくりひとまとめにされたくないんですが、なにか」的ドラマだと分析する。

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 ゆとり世代を笑う物語かと思ったら、ゆとりがゆとりに困惑するドラマだった。ゆとり第一世代の主人公たち(岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥)、もう29歳になるんだね。大学3年で就活したら、リーマンショック。入社1年目の3月に、東日本大震災。なんて難儀なめぐり合わせの人生よ。

 そんな第一世代の正和(岡田)は、とりあえず入れそうな大学&会社に入って、なんとなくつき合えそうな彼女とつき合っている。むしろ彼よりも、会社の後輩で23歳の山岸(太賀)。これぞ、ゆとり。世間が思う「ゆとり中のゆとり」。

 取引先の挨拶に遅刻したら、タクシーで登場。

「忙しくてメールチェックしてないんすよね。用もないのに得意先回りなんて泥仕事っしょ。つーか自分、泥仕事したくないんで」

 先輩無視してフェイスブック更新。本気で説教されたらLINEで報告。

「会社やめま~す。パワハラで訴えま~す」。そしてスマホを振りかざし、「土下座しろよ! 動画に撮ってアップしてやるから」。

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