トップ30をみると、私立の中高一貫校がずらりと並び、公立は5校だけだ。公立トップは9位の熊本。この10年間で6度目の公立トップだが、東海同様、医学部コースも医学部に特化した指導もない。
「親が医師の生徒が多いためか、1年の2学期の進路志望調査では、多い年は400人のうち約100人が医学部志望です。医学部は難易度が高いうえ、適性がありますから、担任が面談で志望理由を聞いてアドバイスします」(進路指導主事の小坂和海教諭)
同校では中身の濃い65分授業を行い、質の高い校内模擬試験を年5回実施している。
「生徒は勉強だけではなく、部活や行事も頑張ります。希望をかなえるため、浪人しても医学部を目指す生徒も多いです」(小坂教諭)
公立2位は、札幌南(北海道)と、仙台第二(宮城)が並んだ。仙台第二は10年まで、国公立大医学部医学科合格者数トップ20に入っていなかったが、11年は39人の合格者が輩出して17位にランクイン。以降、43人、44人、45人と着実に伸ばし、今年は46人に。
「東大理IIIを含め、現役合格は21人。20人を超えたのは初めてです」
進路指導部長の小村田達也教諭は話す。
急伸には理由がある。
「高校の『医進会』の活動で、1年の3月に都市部の総合病院、2年の8月に山間部の病院を見学しました。閉鎖された診療所をみたときには『医師不足』を目の当たりにし、地域医療に興味を持ちました」
3年生の白圡(しらど)美希子さんは話す。同校では、共学化した翌年の08年に病院体験会を実施。医学科志望の生徒が多いことから、10年に希望者を対象に「医進会」という3年間のプログラムを開始した。
小村田教諭は、目的についてこう説明する。