今年、医学部に強かったのはどこか。
合格者数1位は9年連続の東海(愛知)で、唯一、3ケタの合格者を出した。最難関の東大理IIIに4人、京大医学部にも5人の合格者を出したが、医学部コースも医学部受験に向けた特別な指導もない。
「高1の秋に『研究&仕事紹介講座』を実施するなど、進路に対して幅広い視野を持てるようにさまざまな機会を設けていますが、医師を親に持つ生徒が多いこと、近年の医学部人気などからか、最終的に医学部を目指す生徒が多いです」(杉浦一輝学習指導部長)
2位の灘(兵庫)は、国公立大合格者90人のうち半数の45人が東大理IIIか京大医学部の合格者で、難関大に圧倒的な強さをみせる。
3位のラ・サール(鹿児島)は、この10年間でトップ3に入らなかったのは13年の4位だけで、07年の1位をはじめ、トップ3の常連だ。寮があるため、2013年から首都圏でも学校説明会を開始。今年も5月14日に開催する。
大きく合格者数を増やしたのが、7位の智辯学園和歌山だ。昨年の35人から56人と21人も増えた。
「医師の子どもが多く、以前から医学部志望者が多かったのですが、さらに近年、増加傾向が見られます。医学部に特化した指導ではありませんが、始業前のセンター演習、小論文対策などが功を奏したとも考えられます。校内で和歌山県立医科大の説明会を実施し、地域医療についてより関心を深める機会としています」(吉本英治教頭)
高3は2次試験型の授業を行い、放課後はリスニング、自由英作文などの授業・演習も行う。このほか、大学別の夏期講習、補習などで学力を鍛える。
「国公立大の志望者が多く、後期試験まで粘り強く頑張ります」(同)
今年は、東大、京大をはじめとする21の国公立大学に合格者を出した。