「日本で超高層ビルを造るとなると、地震について考えなくてはいけません。東京湾岸は軟弱地盤と言われていますし、考えるべきは地盤への負荷です。日本の高層ビルは200メートル級が多いですが、この計画はその8倍近く。そうなると地盤にかかる荷重もケタ違い。地盤に対する考え方を変える必要があるかもしれません」(富樫常務)

 東京湾と言うよりは、東京湾アクアライン沿いにビルが建つイメージ。羽田空港に飛行機が離着陸する経路も問題になりそうだ。

「挑戦しがいのあるハードルはあるが、1700メートルという高さの持つインパクトは大きい。東京の魅力が本当に高まっていくのかどうかがポイントです」(同)

 果たして30年後、東京湾に空に向かってそびえる“魅力的な”都市は見られるだろうか。(本誌・秦正理)

週刊朝日  2016年4月15日号