夫婦仲も円滑に?(※イメージ)
夫婦仲も円滑に?(※イメージ)
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 定年しても働くシニアが増えると、かつての上司が若手と同じ立場で机を並べることは珍しくない。職場での関係がうまくいくためには、会社側のフォローもさることながら、当人も意識的に変わることが大事。経験者たちに生き生きと働くコツを聞いてみた。

 キリンビールマーケティング(東京都中野区)の国光誠二さん(58)は、役職定年を迎えた57歳のときに、働く上で意識を変えたという。

「働くときに気をつけていることは、“公と私”を分けていることですね。上司は昔からよく知っているリーダーですが、職場では『部長』『さん』と呼び、敬語で接しています」(国光さん)

 国光さんは、支社長や部長を歴任した営業マン。57歳で役職定年を迎え、現在4歳年下の上司のもとで、企業向け営業部隊の一員として働く。

 お得意様と名刺交換をするときも、上司を先に通して、自分が先に名刺を出さないようにしている。

「これまでは私が部長だったので、先方も戸惑うことも多いと思うんですよ。その場を察知して『こちらがリーダーです』とさりげなく立てています」(同)

 仕事の上で、物事を決めるときは自分ひとりで判断しない。メールのやりとりひとつをとっても、上司のアドレスをメールの「CC(カーボンコピー)」に入れる。など、「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」を心がけている。

「私たちシニア社員の役割は、困っているスタッフがいれば積極的にカバーすることだと思っています。例えば、セミナーやイベントの運営で問題やわからないことが生じたらタイミングよくサポートして黒衣に徹するのが私の役割だと思っています」(同)

 しかし、なんでも知っているからといって、口出しするのはご法度だ。

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