
1980年前後にブームとなった竹の子族の原点、「ブティック竹の子」。現在竹下通りで営業中の店舗は、実は「原宿3号店」である。原宿1号店は、表参道の路地裏、今は“裏原”と呼ばれるエリアにあった。
表参道は、当時から一流ブランドが並ぶ高級感漂う空気があった。だが、
<表参道は、ちょっと横に入ると民家ばかりだった。しかし、人通りはある。これだな、と、直感した>
ブティック竹の子オーナーの大竹竹則さんの1981年の著書『挑戦の軌跡 逆境から生まれた竹の子ファッション』(スポニチ出版)に、そう書かれている。大竹さんは言う。
「ごく普通の住宅街だったんだよね。最初に店を出したのは世田谷の桜上水で住宅街だったし、いけるという自信はあったよね」
ディスプレー用に飾っていた、だぶっとした派手な生地の洋服。これを売ってほしいという若い客が増え、大竹さんの直感が働いた。これをベースに、着物ともんぺ、そこに天衣の要素を盛り込んだデザインを、原色の生地で仕上げる、独自のファッションを考案した。