老親の「見守りサービス」が続々登場。だが利用には意外なハードルも(※イメージ)
老親の「見守りサービス」が続々登場。だが利用には意外なハードルも(※イメージ)
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 内閣府の調査によると、2015年には65歳以上の男性の12.9%が、女性にいたっては21.3%がひとり暮らしと推計されるという。この割合は年々増加すると見込まれている。離れて暮らす“おひとりさま”の老親。心配しながらも、なかなか連絡できないという人も多いのではないだろうか。

 そこで注目したいのが、ひとり暮らしのお年寄りや高齢者だけの世帯の安否を定期的に確認してくれる「見守りサービス」だ。

 全国6万人以上のお年寄りに弁当を配達している「宅配クック ワン・ツゥ・スリー」では、配達の際に手渡しを徹底することで安否確認を兼ねたサービスを実現させた。事前の連絡なく不在の場合は、玄関先から電話をかけ、つながらない場合は家族や担当のケアマネジャーに連絡するシステムだ。実際に、自宅で転んで動けなくなっている高齢者を配達時に発見し、救急車を呼んで事なきを得たこともあるそうだ。運営本部のシニアライフクリエイトの菅原邦寛さんは話す。

「お客様の中には配達員以外の人と言葉をほとんど交わさない方もいます。体調を尋ねるなど、配達時に何らかのコミュニケーションを取るようにしています」

 テクノロジーを駆使した見守りもある。ソフトウェア開発大手のソルクシーズが提供する「いまイルモ」は、高齢者の自宅に設置するセンサーが、人の動きや温度、湿度、部屋の明るさからトイレの回数まで感知。離れて暮らしていても、家族はその様子をスマートフォンなどでいつでもリアルタイムで確認できる仕組みだ。

 軽い認知症を抱えて都内でひとり暮らしをする父親(85)のため、半年前からこのサービスを利用している神奈川県の会社員男性(43)はこう話す。

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