フジテレビ系で日曜夜に放送されている国民的アニメ「サザエさん」。割烹着(かっぽうぎ)姿の母親、磯野フネ役の声が10月4日から代わった。
2代目フネを務める寺内よりえさん(62)は「新米フネが、しっかりと出帆していけますように、どうかあたたかく見守ってください」とコメント。新生フネの声が“お披露目”された直後、ネットでは「フネさんが若返った!」「慣れるまで時間かかるかな」などと賛否両論で盛り上がった。
長年親しまれた麻生美代子さん(89)演じるフネの声は先月27日が聞き納め。放送直後、ツイッターなどSNSでは「すてきな理想のお母さんでした」「今まで魂を吹き込んでくれてありがとう」「麻生さんのフネさんは懐かしく優しかった。46年間お疲れさまでした」と、ねぎらいのコメントであふれた。
麻生さんと共演経験のある声優のマネジャーは、こう振り返る。
「スタジオに入る前はおばあちゃん然とした空気なんですが、入った瞬間にしゃんとされて、フネになっていましたよ」
麻生さんとフネが重なって見え、その貫禄に驚いたという。
タラオ役の貴家堂子(さすが・たかこ)さん(74)の所属事務所はこうコメントを出した。
「お付き合いが大変長かっただけに非常に残念です。ナレーションのお仕事は続けられるとのことで、元気に長生きしてほしい」
昨年には、放送開始から父親の磯野波平役を務める永井一郎さんが82歳で亡くなり、茶風林さん(53)に交代。これで磯野・フグ田家で放送開始から変わらないのは、サザエ役の加藤みどりさん(75)と貴家さんの2人となった。
“麻生フネ”の最後のセリフは、「お帰り、ずいぶん買い込んできたね」。
買い物から帰ってきたサザエさんをねぎらうその声は、まさに“日本のお母さん”だった。
※週刊朝日 2015年10月23日号