夫でパティシエの鎧塚俊彦さんは、川島さんの遺志を継いで、「鎧塚なお美」ではなく「女優・川島なお美葬」にこだわったという。
沈痛な面持ちで肩を震わせながらこう語った。
「最高の、できすぎた女房でした。女房は、自分の体にできた腫瘍でさえも、“戒め君”と呼んで前向きだった。他界してへこたれるような女性ではありません」
そして「何よりも拍手を喜んだ女房を、盛大に送り出してほしい」と訴え、出棺時には割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
訪れた著名人らからも多く聞かれた「最後の最後まで、本当に気高い女優だった」との声にふさわしく、女優・川島なお美の“千秋楽”は盛大に幕を閉じた。
(本誌・鳴澤 大、永野原梨香、牧野めぐみ、西岡千史、林 壮一、松岡かすみ、秦 正理/今西憲之)
※週刊朝日 2015年10月16日号