近い将来、町からレンタルビデオ店が消えるかもしれない──。スマホが普及し、動画やニュースなどを手元で見る人が多くなった。9月1日、さらに勢いをつけて広がりそうな米ネット動画配信サービスが、日本に上陸した。
日本参入を果たしたのは、米国内で4140万人、世界では6500万人の会員数を誇る有料動画配信の米最大手「ネットフリックス」だ。自社制作のドラマが米エミー賞を受賞するなど、独自コンテンツの評価も高い。又吉直樹さんの小説『火花』を自社で映像化、独占配信がすでに決まっているなど、日本での事業展開に意欲的だ。
リード・ヘイスティングスCEOは都内のイベントで、
「試してもらえば見たいものがたくさんあるとわかる」
と、その質と量に自信を見せた。価格は三つのプランから選ぶことができ、最安で月額650円。定額制で見放題だ。
NHKや民放各局は番組を提供し、ネット配信と足並みをそろえる。むしろその直撃を受けるのは、レンタルビデオ業界だ。日本映像ソフト協会の調査によると、2005年に約6千店舗あったレンタルビデオ店は15年6月時点で約3200店舗と半減。ツタヤ、ゲオの大手2社もすでにネット動画配信をしている。利用者はどう感じているのか。レンタルビデオチェーンをよく利用するという都内の20代の男性は、
「ネット動画の品ぞろえ次第では、レンタルは利用しなくなるかも」