一方、都内でレンタルビデオ店を営む男性は、
「年々売り上げも会員数も減っていくね。昨年、近くの競合店もつぶれちゃったし、新たな展開を考えなくては」
と悲壮感が漂う。
国内ではこれまで、数々の動画配信サービス事業者がしのぎを削ってきた。ネットフリックスの参入で、競争がさらに激化するのは間違いない。
「日本のレンタルビデオ店は間違いなく減っていきますね。レンタルという形態に限れば、実店舗数がゼロになることも考えられます」
そう語るのはネットメディア評論家の落合正和さん。
「ネットでの動画視聴は利用者にとってデメリットがあまりないんです」
借りたり、返却したりのために店舗へ足を運ぶ必要もなければ、DVDやブルーレイの再生機も必要ない。この9月には、米ネット通販最大手のAmazonも動画配信サービスを日本で始めるという。
確かに動画配信は便利に見えるが、ネット動画視聴が進む米国では昨年、ピーク時に全米で約9千店舗あった最大手レンタルビデオチェーンが全店閉鎖に追い込まれた。ホラー映画のように背筋が寒くなる。
※週刊朝日 2015年9月18日号