プロゴルファーの丸山茂樹氏は、来年のリオデジャネイロ五輪への思いをこう語る。
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4大メジャー第3戦「全英オープンゴルフ選手権」(7月16~20日)のテレビ解説者として、英国・セントアンドルーズへ行って参りました!
「聖地」セントアンドルーズのオールドコースで開かれた大会は、強風や大雨で27年ぶりに1日順延。みなさんご存じの通り、優勝はザック・ジョンソン(39)=米国=でした。
ジョンソンはルイ・ウェストヘーゼン(南ア)、マーク・リーシュマン(豪州)とともに通算15アンダーで並んで、4ホールで争うプレーオフに臨みました。2バーディー、1ボギーとまとめ、2007年マスターズに続くメジャー2勝目を手にしました。
ジョンソンは僕の少しあとから米PGAツアーにデビューしてきたので、プレーぶりはよく知ってます。飛距離は当時からたいしたことなくて、僕の方が上回ってたぐらいでした。全英オープン終了時点のランキングで、彼のティーショットの平均飛距離は米ツアーで164位ですからね。
だけどショットとパットの正確性は、間違いなくトップクラス。まあ、ショットは曲がらない、曲がらない。パットについては、全英オープン最終日の本戦18ホールで26パットと最少でした。大会を通じても2番目に少なかったんです。「精密機械」ぶりに磨きをかけたジョンソンの勝利でしたね。
今年のマスターズ、全米オープンとメジャー2連勝してきたジョーダン・スピース(米)は、プレーオフ進出に1打及びませんでした。3連勝とはいきませんでしたけど、やっぱり彼は半端じゃないですね。
そういう中での競争なんですけど、スピースの場合は常に8割、9割を試合で発揮してくる。スタート前の練習場での雰囲気と、1番ホールのティーショットで立ったときの雰囲気がまったく変わらない。とてつもない選手ですよ。
そして我らが松山英樹(23)です。首位グループに5打差で迎えた最終日、前半は上々でした。10番ホールまでに四つスコアを伸ばして、首位まで1打差と迫った。僕も「チャンスあるな」と思いました。
12番で1メートルのパーパットを外したのがケチのつき始めでしたね。なんとなく左に引っかけてしまった。それでも13番のティーショットがよかったから、「まだ大丈夫か」と思ったんですけどね。そこからつながらなかったですね。
難しいですね、ゴルフは。端から見てても難しい。自分でやっても難しいですけどね。そして15、16番とボギー。ちょっとイライラしちゃってましたね。結局18位でした。
話はガラッと変わるんですが、倉本昌弘先輩が日本ゴルフ協会のリオデジャネイロ五輪強化委員長に就任して、リオ五輪の男子監督には「丸山が適任」という趣旨の発言をなさったそうです。もし監督にならせてもらえるなら、僕の経験を余すところなく伝えて、金メダル獲得に貢献したいなあ。日本ゴルフ界の将来のため、「ジュニア育成」も頑張っていきます!
※週刊朝日 2015年8月7日号