男女ともに10代の活躍が続く日本ゴルフ界。丸山茂樹がここ最近で注目した選手を紹介する。
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全米女子オープン(7月9~12日、米ペンシルベニア州ランカスターCC)に挑戦した14歳の山口すず夏(か)さん(神奈川県相模原市立鵜野森中3年)は、残念ながら予選落ちでした。
5打届かなかったんですね。でも14歳でいきなりアメリカのメジャーに出たんですから、この結果はもう、しょうがないですよ。大健闘と言ってあげてもいいんじゃないですか?
彼女のコメントは「プロのみなさんはパターのうまさが全然違う。実感しました」と。浮足だったまま終わるんじゃなくて、こうして自分に何が足りないか気づけたのはすごく立派だと思いますよ。
山口さんは3年前の丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会で優勝してるんです。マルジュニアからこうして、どんどん世界へ羽ばたいていってほしいもんです。
話は変わりますが、先日欧州ツアーで珍記録が生まれました。「アルストム・オープン・ド・フランス」(7月2~5日)で、18歳でプロのレナート・パラトーレ(イタリア)が2日目の18ホールをすべて「4」で回ったんです!
パー3が全部ボギーだから調子がいい訳はないんですけど、一方でパー5は全部バーディーって……。どうやったらそんなことになるのか、ほんとわかんないですね。
僕自身はハーフの9ホールが全部4だったことがあったような、なかったような。そんなもんですよ。欧州ツアーでは記録の残る1972年以降で初めてらしいんですけど、世界的にもかなり珍しいはず。まさに珍事件です。ちなみに彼、通算8オーバーで予選落ちしたんですけどね。
日本アマチュア選手権(7月8~13日、兵庫・広野GCなど)は金谷(かなや)拓実君(広島国際学院高2年)が17歳と51日で大会最年少優勝を果たしました。
この大会では、ある高校3年生が注目を集めました。新潟・開志学園の高橋慧(けい)君はなんと、左右両打ちの「スイッチゴルファー」なんです。僕はパターだけ左で打つ人なら見たことありますけど、長い距離のショットも両方で打てるなんてのは初耳です。
小学2年生でゴルフを始めたときは右打ちだったそうなんですけど、お父さんが「人がマネできないことをやれるプロになってほしい」と、すぐに左用のクラブでも練習させたんですって。いまではコース設定から考えてクラブを選ぶそうで、この大会ではアイアンの6番と8番、ピッチングウェッジが左用、残りの11本は右用で戦いました。
「スイッチ」が必要かどうかと言ったら、まあ必要じゃないと思います。でも体のバランスはよくなるでしょうね。それにどちらかの腕に何かあった場合、逆打ちでしのげるわけですから。左手に爆弾を抱えてる僕の現状では、羨ましいですよ。左で打てるなら、僕も十分に戦っていけると思いますからね。
※週刊朝日 2015年7月31日号