石破氏は前回3年前の総裁選で、再起を期した安倍首相に惜敗。今年5月に出演した民放の報道番組では「今は安倍政権(の閣僚)として『アベノミクス』の成功に全力を挙げる立場だ」と話し、総裁選不出馬を示唆していた。ただ、将来的に党総裁を目指す可能性については「要請があれば応えなければいけない」と意欲を示してもいる。

 実質的な石破グループ「無派閥連絡会」に所属する議員は言う。

「本人はまだ表立って意欲を見せていませんが、側近は『いざという時に備えたほうが良い』とアドバイスしているようです。8月5日にはグループの懇談会が開かれる。多くの議員が集まり、擁立に向けた主戦論も出てくるのではないか」

 政治評論家の浅川博忠氏も、石破氏が急浮上する可能性を指摘する。

「内閣支持率は30%を切ると危険水域といわれます。現在、各紙世論調査では40%前後ありますが、今後の展開次第では30を切ることもあるでしょう。そうなると自然に石破待望論が出てくる。これまで首相への刺客として野田聖子前総務会長を推していた古賀誠元幹事長も、『勝てるなら』と石破氏に乗り換えることだってあり得ます」

 江戸幕府の開祖・徳川家康はかつて「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」と語った。続けていった言葉が味わいぶかい。「急ぐべからず」と。

週刊朝日 2015年7月31日号より抜粋

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