安保法案や新国立競技場など、さまざまな問題を抱える安倍政権。しかし、その逆風はまだまだ続き、その座を揺るがすものになりそうだ。
大詰めを迎えているTPP(環太平洋経済連携協定)交渉も悩みの種だ。日米両政府は、鶏肉や鶏卵などの約40品目の大半について関税を撤廃する方向で最終調整に入った。輸入卵を使った加工食品などの値下がりが期待できる半面、国内生産者の経営に悪影響が出る可能性がある。
安倍首相が「必ず解決する」とした拉致問題も進展が一向に見られない。北朝鮮が拉致被害者らの再調査を約束した「ストックホルム合意」の発表から間もなく1年2カ月。正式回答はいまだ届いていない。
12年12月の政権発足以来、最大の危機を迎えた安倍政権。強まる逆風は“安倍1強”だった党内の勢力図も変えつつある。
9月20日の自民党総裁選は首相を脅かすライバルが不在で、これまで「無投票再選が濃厚」と言われてきた。しかし、今回の内閣支持率急落で、一部議員からは石破地方創生相を推す声が出始めた。