林:それがいきなりトップになっちゃったんでしょう?
真矢:いきなりじゃないんですが、母親にやめたいと言ったら、「ついこの間、初舞台を踏みましたというハガキを親族に出したばかりだから、あと2年ぐらいやってくれないと恥かくわよ」って(笑)。それが私の運命を変えました。その1年半後ぐらいに、新人公演で主役をもらっているんです。
林:宝塚のスターってファンの人にとっては女神みたいなもので、「トイレにも行かない」って信じ込まれてるところがあるから、それはそれで大変ですよね。
真矢:それは王子様系ですよね。私はちょっと違って現代系かな。最初から期待されていたわけではない雑草育ち。異端児というか。売れたら「革命児」という呼び方に変わりましたけどね。
林:異端児が売れると革命児になるんだ。いいこと言いますね。真矢さんの人気って、すさまじいものがありましたからね。
真矢:ただ、やっぱりイメージって独り歩きするところがありますよね。私、中卒なのにすごく高学歴だと思われたりするんです。
林:でも、お父さまとかおじいさまは高学歴のおうちなんでしょう? 航空会社を起こしたり。
真矢:起こしたり? そのウワサはうちの一家のグレードを高めてますね(笑)。
林:お父さまは航空会社の重役まで行ったんでしょう?
真矢:みたいですね。聞いたことがないんです。亡くなってからNHKの「ファミリーヒストリー」という番組で初めて知ったことが山ほどあったんです。あれはありがたかった。
※週刊朝日 2015年7月24日号より抜粋