鹿児島県屋久島町口永良部(くちのえらぶ)島が大噴火したかと思えば、小笠原諸島沖ではM8.5の巨大地震が発生。列島のあちこちで大山鳴動、不穏な動きが続発する。
昨年9月に突如、噴火した御嶽山(長野・岐阜)では、登山客ら57人が死亡、6人が行方不明という戦後最悪の噴火災害となった。今年初めから火山活動が活発化している桜島(鹿児島)では、5月7日に今年500回目の爆発的噴火があり、これは55年の観測開始以来最速のペースだ。
観光業にも深刻な影響が出ている。箱根山(神奈川)で5月の大型連休中に噴火警戒レベルが2に引き上げられ、観光名所の「大涌谷(おおわくだに)」が立ち入り禁止となった。蔵王温泉に近い蔵王山(宮城・山形)でも、4月に小規模な噴火の可能性があるとして噴火警報が出された。草津白根山(群馬・長野)、吾妻山(福島・山形)でも噴火警戒レベルが2に引き上げられている。
これらは、単なる偶然なのか――。元火山噴火予知連絡会会長の井田喜明・東大名誉教授がこう指摘する。
「2011年の東日本大震災が影響しているのは間違いないでしょう。あれだけ大規模な地震なので、その影響は列島全体に及んでもおかしくありません。地下のマグマがどのようにつながっているのかも現在の学問ではまだ未解明な部分が多く、いくつかの火山の動きに何らかのつながりがあるのかもしれない」
元北海道大学地震火山研究観測センター長の島村英紀氏はこう語る。