弘法大師空海が高野山に真言密教の修禅道場を開いてから1200年を迎える。
高野山は、空海が留学先の唐からの帰途、最適な修行の場を探すために日本へ向けて投げた密教法具「三鈷杵(さんこしょ)」が落ちた地といわれる。空海は帰国後の816年、高野山を開創。修行の場である壇上伽藍に、根本道場である根本大塔、金堂などが創建、今日の姿になった。
開創1200年の今年は記念行事が続く。焼失した中門を172年ぶりに再建。金堂では絶対秘仏とされる本尊の薬師如来が初めて、金剛峯寺の弘法大師坐像は16年ぶりに特別公開されている。金堂、根本大塔、奥之院燈籠堂などで連日執り行われる、きらびやかな袈裟をまとった僧侶による大法会も必見だ。
高野山には「一度上ると、生前からの自分の罪がすべて消えてしまう」という言葉がある。
1200年目の特別な日々は、5月21日まで続く。
※週刊朝日 2015年5月8-15日号