同棲相手の男性、平田勇二さん(48)を包丁でメッタ刺しにした上で、金属バットで殴り、殺害。
警視庁に2月2日、逮捕された東京・銀座の高級クラブの元ホステス、菊池あずは容疑者(28)には知られざる素顔があった。座って4万円以上する高級クラブ「A」の責任者はこう話す。
「2人が出会ったのはうちの店です。平田さんは7、8年前から勤めていて、彼女は2年くらい前から昨年夏まで働いていた」
昨秋、2人は東京・新川のマンションで同棲を始めたという。 「平田さんは昨年12月頃、『一緒に住んだらすぐに別れたくなった』と話していたそうです。2、3人のホステスたちに『別れたいんだけど、どうしたらいい?』と相談をもちかけていました」(平田さんの知人)
あずは容疑者は身長179センチと長身で、店ではハイヒールは履かずにぺったんこの靴を履いていたという。
事件後、「性同一性障害」ではないかと、ネットなどで話題になっているが、勤務先などによると、銀座のクラブでは“女性”として勤め、同僚らも女性として接していたという。
「『女性ホルモンが足りないの』と言って、毎日20錠くらいホルモン剤を飲んでました。肩幅もあるし、のどぼとけもあった。歌うと裏声になった。事情を知る関係者から『彼女は性同一性障害で性転換をしているようです』と聞きました」(元同僚のホステス)
彼女と親しかったホステスは、その知られざる“過去”をこう明かす。
「彼女は福岡県出身で、博多の中洲の老舗クラブで働いていて、8年前くらいに上京し、銀座で働くようになった。友達がいないと言ってました。いつも一人で寂しそうだった。結婚するのが夢と語っていた」
お店は長続きせず、銀座のクラブを転々とした。4年前には、大手上場企業に勤める妻子ある男性と不倫し、トラブルになったという。
「あずはは性病をうつされ、手術、入院もした。相手の男性の自宅や会社にまで押しかけて、費用を請求していた」(同)
4年前にはボヤ騒ぎも起こしていたという。
「お給料が未払いだと言って深夜、店の営業時間中にロッカールームでティッシュに火をつけたんです。消防車や警察も来る騒ぎになりましたが、ボヤで済んだ。その時にオーナーに『銀座で働きません』ということを条件に示談にしてもらいましたが、いつの間にか銀座に舞い戻ってきた」(同)
昨夏から銀座の有名ケーキ店に勤務していたという。
「確かに働いていましたが……。数回、来ただけです」(ケーキ店)と言葉少な。
あずは容疑者は「別れ話をされ、殺そうと思った」と供述しているという。
(取材班=今西憲之/本誌・一原知之、上田耕司、小倉宏弥、小泉耕平、野村美絵、牧野めぐみ)
※週刊朝日 2015年2月20日号