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 受験シーズンがやってきた。かわいい孫が受験生ならば、アドバイスやサポートは惜しまない、という人も多いだろう。でもこの時期、かかわり方を一歩間違うと、子ども世代とのトラブルのもとになり、孫の受験への悪影響も招きかねない。

 祖父母たちにとって、孫に愛情を感じ、その教育に関心を持つのは、自然なことだ。全国の孫がいる55~74歳の男女千人を対象にした第一生命経済研究所の調査によると、7割が「孫の教育に関心がある」と答え、特に、「最年長の孫が中高生」の祖父母では8割を超えた。

「孫に身につけてほしいと思うこと」(複数回答)という項目を見ると、全体では「体力、健康」(44%)、「思いやり、優しさ」(29.3%)の次に「学力、知識」(26.2%)が挙げられている。

 興味深いのは、同じ質問に対して「最年長の孫が中高生」という祖父母の層では、「思いやり、優しさ」(24%)より、「学力、知識」(31.6%)を重視していることだ。この層は「語学力」や「向学心」などでも、全体に比べて高い割合を示している。受験が身近になると、教育への関心がより高まるということだろう。

 調査に携わった北村安樹子主任研究員は、

「祖父母は自身の暮らし向きや老後資金の見通しにかかわらず、孫の将来の経済的自立を願い、その才能をできるだけのばしてやりたいと考えていた。孫の教育や将来は祖父母のだれもが関心をもつテーマだと考えられる」

 と分析している。

 身を削ってまでも孫の幸せを願ってくれる祖父母の存在は、親にとってはありがたい。それなのに、どうしてもめてしまうのか。

「それは祖父母が、孫を通して“子育てのやり直し”をしている場合に多いです」

 NPO法人「孫育て・ニッポン」理事長、ぼうだあきこさん(46)は話す。

 シニア世代に向けた「孫育て講座」を開き、核家族時代の子育てに“祖父母力”を生かそうと活動してきたぼうださんは言う。

「子育てのときに、『ああしておけばよかった、もっと早くからやらせれば、もっと良い結果が出たかもしれない』という思いから、孫の教育や生活について口出しする人は少なくありません」

週刊朝日 2015年2月6日号より抜粋