
2011年5月のスペイン1部リーグの八百長に関与したとの疑いで渦中にあったサッカー日本代表のハビエル・アギーレ監督。
12月15日、スペイン検察当局から告発されたことが判明、日本サッカー協会は現時点で解任を否定しているものの、今後の動向次第で事態は風雲急を告げるかもしれない。
協会関係者からも「たとえ黒ではなく灰色だとしても、年間50億円以上も拠出するサッカー協会のスポンサー筋の顔色は良いはずもなく、早期解任に踏み切らざるを得ないことも考えられる」という声も。
そうなれば、気になるのはアギーレ監督の後任だ。
「解任ならばアジアカップは日本代表コーチも兼任するU-21代表の手倉森誠監督が代行するしかないだろう。ただ、それはあくまで一時的な処置」(前出・協会関係者)。
サッカーの本場ヨーロッパはいまシーズン真っただ中で、実績ある有能な外国人監督を、この時期に日本に呼ぶことは困難。
「有力候補だった前柏のネルシーニョ監督は来季神戸、元鹿島監督でJリーグ3連覇を成し遂げたオリベイラ氏も先日パルメイラスの監督に就任することが決まってしまった。そうなると、現在フリーで支障がないのは元名古屋監督のストイコビッチ氏くらい」(スポーツ紙記者)
日本人監督としては、1998年、10年W杯を率いた岡田武史氏(現四国リーグ、FC今治代表取締役)の名も浮かぶが、本人が「二度とやることはない」と公言したばかり。
スペインでは、「裁判になったとしても、有罪確定は難しい」(現地ジャーナリスト)との見方もあるようだが、不祥事に対して潔癖症体質の日本サッカー界だけに、たとえ“グレー”でも裁判にでもなれば、首は免れないだろう。
アジアカップのメンバーを見れば、23人中14人がブラジルW杯出場組。いっそのこと、ザッケローニ前監督の再登板でもいい?
(スポーツライター・栗原正夫)
※週刊朝日 2015年1月2‐9日号