入試シーズンが間近に迫ってきた。受験生獲得を競い合う私立大は、さまざまな入試改革を進めている。大きな動きは英語の外部試験利用だ。
上智大は新しい入試方法を導入する。2月3日に、英語の試験を行わない「TEAP利用型入試」を国際教養以外の全学部で実施。上智大と日本英語検定協会が共同開発したTEAP(アカデミック英語能力判定試験)を受験し、学科ごとに設定した基準スコアを満たせば出願できるというものだ。スコアは合否に影響しない。文系学部は原則、地歴・公民・数学から1教科と国語、理工学部は数学と理科2科目の点数で合否が決まる。
「英語学科や看護学科など2次試験がある4学科は併願できませんが、それ以外の24学科は、指定された選択科目が共通していれば、一度の試験で複数学科を併願できる。そのうえ、2学科以上だと受験料が併願割引になります」(代々木ゼミナール入試情報センター統括本部長の坂口幸世氏)
河合塾の「全統マーク模試」での上智大の志願者数は、前年比で文105、総合人間科学107、法108、経済119、外国語121、総合グローバル134など、人気を集めた。
TEAPを利用した入試は上智大だけでなく、立教大、中央大、関西大、立命館アジア太平洋大でも実施予定だ。これらの大学の志願者は、ホームページで利用学部などを確認したうえで、12月14日にTEAPを受験してみては。申し込みは11月25日までだ。
15年からTOEICやTOEFLなどの外部試験を利用する入試を始めるのが、首都大学東京、国際基督教大、山口大、長崎大など。
「今後、英語外部試験を利用する入試は増えていくと思います」(駿台予備学校進学情報センター長の石原賢一氏)
(ライター・庄村敦子)
※ 週刊朝日 2014年10月31日号より抜粋