週刊朝日で好評連載中の「美意識ある生活」。生活品評論家の東海左由留(とうかい・さゆる)さんが厳選したひと品を紹介している。東海さんは日本とヨーロッパで「生活をより豊かに」をテーマに様々なアイテムやサービス、ライフスタイルを取材。自腹で購入し、時間をかけて使用感を検証している。
今回は、石けん受けを紹介する。
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■名は体をあらわす
名前がなければ物の識別はできないが、その一方で、過度な先入観を生む作用がある。生活に密着した道具ほど、名前の呪縛が不便を放置させる。
たとえば、多くの人が毎日使う石けん。その石けんを置く道具は、一般的に石けん置きや石けん台、英語ではsoap dishなどと呼ばれる。どれも平面上に置いた状態をイメージさせる名前だが、ここに落とし穴がある。なぜなら、水に濡れた平面と接する面が広いほど、石けんは溶けやすく、変質しやすいからだ。
従来の石けん置きの概念を覆したのが、まさに名は体をあらわす、このTsun Tsun。シリコン製のツンツンした突起で石けんを支えるから、水切れがすこぶるいい。溶けやすい高価な洗顔石けんなどは格段に持ちが良くなり、あの中途半端に溶け出したヌルヌルが激減するから掃除も楽。気持ち良い感触の柔らかい突起は、指の動きに沿うので石けんをつかみやすい。いいことずくめの画期的デザイン。
<今日の逸品>
Tsun Tsun(ツンツン) 全4色 各1200円(税別)
問い合わせ先:アッシュコンセプト
※週刊朝日 2014年8月22日号