「ロウリュウは体感温度が一気に上がり、短時間で効率的に汗をかけるところが人気なんです」
クラクラしながら冷水を浴びると、思わず「あ~~」と声が出る。なるほど、この爽快感が昨今のサウナ人気の一因か。
『知っておきたいサウナ・スパの健康知識』(公益社団法人日本サウナ・スパ協会)によると、サウナは約6千年前にフィンランドで生まれ、1963年頃から日本で広まった。日本で一般的なサウナは「フィンランド式乾式サウナ」で、低湿度の室内は低温なら60度、高温では100度に至る場合もある。国内のサウナ愛好者は現在1千万人超で、利用する目的の1位は男性が疲労回復、肥満減量、女性が肥満減量・全身美容だ。
実際、記者が「なごみの湯」で出会った81歳女性は、かつてサウナに通い詰めて10キロ減量したのだとか。また、前掲『知っておきたいサウナ・スパの健康知識』によれば、サウナはスポーツ後の肉体疲労や肩こり、筋肉痛の解消に効果がある。血流が2倍に増進することで酸素供給量が増えたり疲労物質が排出されたりするのだ。
さらに、皮膚の生理機能が活発化するため美容にも効果がある。サウナと冷水浴を交互に繰り返す「温冷交代浴」は、交感神経と副交感神経の切り替えを活発にし、自律神経の乱れによる不眠や食欲不振などを解消するのに役立つ。
「温冷交代浴は、サウナの標準的な入り方です。持病のある方にはむやみにおすすめできませんが、そうでなければ、さまざまな健康効果が期待できるんです」
こう言うのは、公益社団法人日本サウナ・スパ協会理事で事務局長の若林幹夫さん。8~12分ほどサウナに入り、出た後に冷水を浴びて、またサウナに入る。これを3回ほど繰り返すのが基本的な入り方だそう。「冷水を浴びるときは、いきなりドボンと飛び込むのではなく、まず汗を流して、無理をしないで手足から水につけ、ゆっくり体を慣らすことが肝心です」(若林さん)