ぎらつく太陽、粘りつく空気──今年の夏も暑い。少しでも快適に過ごしたい季節に、試してみたくなるのが「涼感グッズ」。今年のキーワードは「多機能」。最新アイテムを紹介する。
東京・渋谷ロフトでは、2階の美容・健康雑貨フロアを中心に、各フロアで涼感グッズの販売に力を入れている。なかでも今年の売れ筋は、ハイテクタオルの「クールコア」。近年人気の気化熱を応用して濡らして使うタオルだが、
「独自の素材で、お湯や汗でも、ひんやり感が得られるところが人気の理由のひとつです」(ロフト渋谷事業部・田中寛子さん)
衣類に吹きかけるスプレータイプでは、「ひんやりシャツシャワー」が人気。ひと吹きで、衣類がひんやり感に包まれ気持ちいい。
桐灰化学の「熱中対策」シリーズも注目だ。「熱中対策 タオルに氷をつくるスプレー」は、商品名どおりタオルなどに吹きかけると、瞬時に細かい氷ができる。アウトドアやスポーツの場面で大活躍しそうだ。同シリーズの「頭髪用アイスドライ」は、髪に零下30度の冷気を吹き付けられ、頭皮まで一気にひんやり。瞬時に乾くので、髪もべたつかない。
衣類そのものに快適性を求めるならば、ユニクロの高機能インナー「エアリズム」だろう。<“暑いから脱ぐ”のではなく“暑いから着る”へ>といううたい文句のように、着ることによる快適さを目指す。汗をかいても綿の下着のようにいつまでも濡れてなくサラッとした感覚が保て、不快感が解消される。
「べたつきなど、肌に直接触れる部分の不快感を取り除き、いわゆる汗冷えも軽減してくれるので、女性にも人気ですね」(ユニクログローバルマーケティング部・菅原麗香さん)
生地の清涼感に加え、抗菌防臭、消臭効果なども盛り込んだ。
「いずれかの機能に特化するのではなく、トータルバランスで勝負しています」(菅原さん)
近年のスーパークールビズにともなって、男性会社員もワイシャツ1枚で過ごすことが多くなった。そういう事情から、メンズも最近は透けないベージュが人気なのだとか。
「スーツを着慣れない就活生が、エアリズムのステテコを、スーツの下にはいていると聞きました」(菅原さん)
エアリズムもそうだが、近年の傾向は、
「ただひんやりさせるだけではなく、さらに何かをプラスした商品が人気です」
とロフトの田中さん。以前からある汗拭きシートや制汗剤なども飽和状態になっているためか、殺菌効果を加えたりヒアルロン酸や銀イオンを配合したり、プラスワンによる差別化をはかっている。
化粧品も“参戦”してきた。伊勢半の「サンキラークールパーフェクトストロングA」は、日焼け止めにメントールを加え、クール感をプラス。コーセーの「エスプリーク ひんやりタッチ BBスプレー UV」は、気化熱により肌温度「マイナス5度」効果をうたうファンデーションだ。
「毛穴が引き締まるような気持ちよい使いごこちで、化粧直しに使うと汗がひいてさっぱりすると好評です」(コーセー経営企画部・川西保幸さん)
※週刊朝日 2014年8月15日号より抜粋