長友:実際、言い続けて結果を出してきたわけですね。

庵原:今はまだ結果を出す途中なんですけどね。

長友:まだまだですか?

庵原:サントリーの法人営業のときは、この先、誰もひっくり返せないと自負している、すごく大きな取引をまとめたんです。でもサブウェイではまだ満足のいく爪痕を残せてない。私の座右の銘は「歴史に名を残す仕事をしたい」なので。

長友:かっこいい! 爪痕の構想としては、もっと店舗数を伸ばしていくとか?

庵原:ここ数年で急速に伸ばしてきたので、まずは一店舗一店舗の力を上げつつ、出店にドライブをかけていこうと。でも、平社員のときは何かを成し遂げようとするとき、ある意味で自分中心に考えればよかったけど、この立場になると、自分が動くだけじゃダメなんですよね。みんなに納得してもらって同じ方向を向いてもらえるようにしなければいけない。それもFCのオーナーさんや店舗のスタッフさんもいるので、プロセスがすごく長くて。もちろん、多数決を取っていたら経営なんてできませんから、決める力、動かす力はスピーディーにいかないといけませんが、どういうリーダーシップをとるかは私の課題ですね。

長友:それって性別に関係なく、ある程度の管理職ならわかる話でしょうね。その上で、女性だからこその難しさってないですか?

庵原:あるかもしれないですね。なぜなら、私が男性だったら、もっとトップダウンでゴンゴン行ったかもしれないから。

長友:キャラとして?

庵原:はい。赴任したときはすごく悩んだんです。でも『ビジョナリーカンパニー』という有名なビジネス書を読んだら「企業を継続させていくには必ずしもカリスマじゃなくていい」という言葉があって。

長友:合意形成型もいいと。

庵原:ええ。女性であり、役員としてはまだ若い自分のスタイルとして、今は合意形成していくほうが皆の理解を得られて、巻き込んでいけると思っています。もっともっと経験を積んで、合意形成もきちんとしつつ、ビジョンメークしてリーダーシップを張れる人間になりたいと思っていますが。

週刊朝日  2014年8月1日号より抜粋

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