本誌連載の「おすすめアプリ生活」。今週、ライターの小幡恵が推薦するのはみなさんご存知のGoogle Maps(グーグルマップ)。その理由は?

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 NHKの朝ドラ「花子とアン」が絶好調。朝寝坊の私は土曜の夜にその週の再放送をまとめて見るという「邪道朝ドラ派」だ。訳者・村岡花子の生涯に『赤毛のアン』のエピソードを重ねた脚本は、「アン」を読んだことがない男性にも好評らしい。

 花子の「不倫愛」や柳原白蓮をモデルとした「蓮子さま」の歴史的駆け落ち事件は「このままいくと朝ドラ初のドロドロ展開では」と「期待」されたが、マイルドな脚色が加えられつつ、それなりに忠実に描かれている。

 さて、『赤毛のアン』の原題は『Anne of Green Gables (グリーン・ゲイブルズのアン)』。グリーン・ゲイブルズとはアンが育ったカスバート家の屋号で、カナダのプリンスエドワード島にある。

 原作者モンゴメリの従姉妹が住んでいた家がモデルで今もそのまま保存され、アンのファンが世界中から訪れている。40年ぐらい前の元オトメたちが、気分だけは少女に戻れる「聖地」だ。

 この夏、アンをテーマにしたカナダツアーも数多いが、とりあえずはスマホで下見!

 注目は、おなじみグーグルマップのストリートビュー機能。「グリーン・ゲイブルズ」を検索して詳細を表示すると「ストリートビュー」などの項目が表示される。グーグル社は「グーグルカー」と呼ばれる車を世界中に走らせて撮影し続けており、その画像を次々追っていくことで、私たちはまるで実際に道を歩いているような気分を味わうことができるのだ。

 グリーン・ゲイブルズは「インドアビュー」も用意されているので、内部をバーチャル見学し、それから島をアンの気分でバーチャル散歩できる。

 村岡花子は終生ここを訪ねる機会がなかったという。彼女にとっては「想像の翼」だけでじゅうぶんだったのかもしれないが、翼が小さめの私はスマホを補助として飛び立ってみたい。

週刊朝日  2014年8月1日号