一方、得意科目の国語は、現代文に関しては自信があったので、あまり特別な勉強はしませんでした。もともと文章を書くのも、本を読むのも好きだったので、東大入試に出るような難しい文章も苦ではなかったのです。古文、漢文だけを重点的に勉強しました。
最も得意だった生物は、ほぼ独学でしたね。学校の教科書や副読本はほとんど使いませんでした。試験の範囲を意識しないで勉強していた気がします。
受験勉強に結果的に生きたのかなと思うのは、読書経験です。中高時代に好きだった本は、沢木耕太郎さんの『深夜特急』や椎名誠さんの『哀愁の町に霧が降るのだ』です。ただ、「食わず嫌いせず、難しい本でもなんでも読もう」と考えて、本屋の文庫棚の前で目をつぶって1冊とり、必ず最後まで読み切っていました。自分では絶対に選ばない本も手に取るので、読書の幅を広げられるんです。図鑑も好きで『原色日本蝶類図鑑』などをよく読んでいました。知らないことがたくさん書いてありますし、眺めるだけでも楽しい。
逆に、いまテレビ局に勤めていますが、中高時代、テレビはあまり見ませんでした(笑)。それでも、「所さんの目がテン!」(日本テレビ)や「世界ふしぎ発見!」(TBS)などは好きでよく見ていましたね。
受験期に気をつけていたのは、とにかくちゃんと寝ることです。僕の場合、徹夜して受けた試験より、割り切って寝てしまって受けた試験のほうが結果がいいことが多かったのです。眠い頭でぼーっとして問題を解いても受からないと思って、8時間は寝ていました。すべての受験生におすすめはできませんが(笑)。
※週刊朝日 2014年2月7日号