お年寄りが元気だ。文部科学省の調査で高齢者の体力の向上ぶりが明らかになった。フィットネスジムや草野球、ママさんバレーチームなどを含む「スポーツクラブ」への所属率も高まっているという

 高齢者にとって、スポーツクラブは単なる健康維持のための場所にとどまらない。その場所にいる時間こそが、生きがいとなっているケースが多いようだ。

 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の内藤久士教授は、「ジムに通う高齢者の目的の半分以上は仲間づくり。その次に、健康増進とか体力アップがあるのではないでしょうか」と指摘する。

 この8年間、週3回女性限定のフィットネスクラブ「カーブス戸越」に通い続けてきた品川区在住の高田和子さん(68)は、こう話す。

「フィットネスクラブに通うことが、毎日の張り合いにつながっています。前夜から運動するときに着るものを選び、開店30分前には到着するようにしています。一番に入店することが、通い始めたころからの日課なので。娘には『もし私が死んだら、棺桶の中にはスポーツクラブで着ている服を入れてね』と頼んであるほどです」

 クラブ側も独自のサービスを打ち出し、高齢者の取り込みを強化している。

 全国に31店舗のスポーツクラブを展開する「東急スポーツオアシス」は2006年、東京・新宿に高齢者専用スタジオを開設した。高齢者に対応したプログラムを展開するクラブは多数あるが、「高齢者のみのスタジオを設けるのは珍しい」(同社担当者)という。

「いきいき太極拳」や椅子に座ったまま運動する「らくらく体操」など独自のプログラムを展開している。会員は約50人で平均年齢は70代後半と同社の通常のスポーツクラブの平均年齢の約47歳(13年9月現在)に比べて、グッと高い。新宿区などの介護予防教室にも協力している。

 提供するサービスも高齢者専用スタジオならでは。その一つが体調管理だ。運動の前後には教室に備えられている血圧計で血圧と脈拍をはかり、体調チェックシートに記入する。血圧の高い受講者がいた場合、その日の運動を控えるようにアドバイスするなど、きめ細やかなサポートがある。

週刊朝日  2013年11月29日号