浮気調査、というと妻が探偵に依頼するものだと思いがちだが、実は最近では夫からの依頼が増えているという。総合探偵社MR(東京都豊島区)の宗万(そうまん)真弓社長によると、男性は妻の浮気の気配を感じても受け入れられず、姑に背中を押されて依頼にやってくることが多いそうだ。
「息子がかわいい、かわいそうという思いからでしょう。嫁姑は永遠のライバルなんですね」(宗万社長)
調査依頼は、首都圏のほか、2世帯住宅や近所に息子夫婦が住む地方からの依頼も多い。MR本部に持ち込まれたこんな例もある。東北地方に住む60代の姑は、息子の結婚4年目に嫁の異変を察知した。息子夫婦とは至近距離に住むのに、それまでは孫を預かることはあまりなかった。
ところが急に、嫁が孫を預けて「毎月」帰省するようになった。理由は同窓会の準備。それに加え、息子への態度もなんだかキツく感じられるようになった。
「地元に住む元カレと会っているんじゃないか?」
ピンときた姑は調査をプロに頼み、その一方で、孫にも聞いてみた。
「3歳の孫に『ママの料理で何が好き?』と聞いたら、『パン』と答えた。菓子パンです。料理もろくにせず、できあいのものばかり与えてるのがわかりました」
この件はまだ調査中だというが、MRの調査員によれば嫁の浮気は、「ほぼクロ」だとか。姑の嗅覚は探偵のごとく鋭いのである。
※週刊朝日 2013年10月18日号