放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回のテーマは「水素風呂」。
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妻が家に水素風呂の機械を導入しました。友達に聞いて導入。妻が新しい家電を買ってきたりするのは珍しいです。だけど「これは本当にいいらしい」と。
20センチくらいの楕円の亀の甲羅のような機械をお風呂の中に入れて、その甲羅と繋がってる機械のスイッチを押すだけ。するとブクブクと水素が発生するわけです。そして、その水素が入ったお風呂に入ると、色々と体にいいことがあると。
僕は「そういうもの」に対してとても「懐疑的」です。今から15年以上前に、妻が知り合い経由で怪しい浄水器を買ってきたことがありました。妻も疑い深い人間ですが、たま~に、騙されたりします。そこがまた人間らしくてかわいらしいところなのですが。
だから今回の水素風呂の機械も「久々にやられたんじゃないか」と思いました。
ネットで調べてみると色々と情報が出てきます。水素を体に吸収するのが水素風呂です。水素風呂の効能は科学的にはまだ研究段階で明らかになってないという記事が目に入りました。それを見て「はいはいはい、やっぱりね」と思う僕。
水素風呂の効能として書かれているのは、まず、普通のお風呂に入るよりも体温が上昇する。髪の傷みや老化の原因にもなる活性酸素の発生を抑えるので、髪の毛のツヤが戻る。そして肌の健康を保つ。代謝を向上させて、ストレス解消にも効果がある。ダイエットにもいいとか書いてある。
美肌、代謝、ダイエット。怪しい三大用語が目に入る。怪しいーーーーーーーー!!
機械が導入された初日、妻は、水素風呂の機械を入れてお風呂に入る。妻は興奮気味で、「本当にすごい! 肌も髪の毛もつるつるになる。疲れも取れる」と言っている。そんな妻に対して僕はかなり冷めた気持ちでいました。「騙される人ってこういう感じだよね」と。だけど、妻は興奮しているので言えない。妻は僕にも勧めますが、使用しませんでした。