TKAとUKAは、ひざに大きな負担のかかる激しいスポーツはできない。一方、HTOは自身の関節を残せるためその制限はなく、とくに年齢が若い人や活動量の多い人に適する。北水会記念病院の塚田幸行医師はこう言う。

「HTOは手術機器がよくなり、いま世界的に見直され、トレンドになっています。若い人に限らず高齢者にも実施でき、入院期間も昔は6週間だったのがいまは2~3週間。手術前と同様に走ることや正座することができることが多く、適応のある人には選択すべき手術です」

■セカンドオピニオンとるべきケース

 関節の変形がひどければ、全置換のTKAが最良の方法となる。

「TKAの豊富な経験があり、自信を持って手術をしてくれる先生なら信頼できるでしょう。年に一回、経過を診てもらうため、一生通える病院を選べば安心できます」(塚田医師)

 一方、TKAもUKAもHTOも適応となる症例の場合には、セカンドオピニオンを聞いたほうがいいケースがある。

「手術する医師の考え方や経験により、すすめられる治療法が変わることがあります。UKAは、限られた病院しか実施していないため、希望する場合は、症例の多い病院に相談に行くとよいでしょう」(平中医師)

 そのほか、手術の合併症予防対策、術後の疼痛コントロール、両膝同時手術をおこなうかなどの病院独自の方針や、患者満足度についても確認しておこう。

 それぞれの手術法の長所と短所をきちんと説明し、患者の将来の希望を聞きながら納得のいく手術法を提案してくれる病院を選びたい。不安が残れば、セカンドオピニオンを求めよう。

≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫

ケース
本当に手術が必要なのか納得できない場合

医師から十分な説明がないまま、手術を強くすすめられて納得できないとき。リハビリ部門の充実した病院で、保存療法など手術以外の選択肢は可能なのかを相談してみるとよい。

ケース
本当に自分の病状に合った手術法かを聞きたい場合

病院によって得意とする手術法が違う場合がある。手術後に希望する生活が送れるかを確認し、手術法の選択に不安が残るならセカンドオピニオンを聞いておこう。

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治療法の選択基準の方針の違いに病院の特色が…どうやって選ぶ?