「オモチャをとったのかぁ」「痛かったのか」と、相手の言葉をオウム返しにしていきます。それだけで、相手は自分の言葉をちゃんと聞いてくれていると感じられます。
さらに、大声で「こんなに痛かった」と必死に訴えてきたら、「うわっ! これは痛かったね!」と、相手と同じくらいのテンションでオウム返しをしましょう。これは「ペーシング」という、相手に合わせた声の大きさで話すというワザで、相手により「共感してもらえている」と感じさせることができます。
大人に自分の言いたい気持ちをわかってもらえたと思えれば、子どもの高ぶった感情も早めに落ち着いていきます。
絶対にすべきでないのは「お兄ちゃんだから(弟だから)がまんしよう」と、年齢を理由になだめてしまうことです。
以前、『あたしおかあさんだから』という歌が「母親はかくあるべき」というイメージ像を勝手につくってしまうと非難されて炎上しました。同じように、「お兄ちゃんはかくあるべき」という勝手なイメージ像をつくるべきではありません。
兄弟のどちらかにがまんを強いると、片方にわだかまりが残り、今後の2人の仲が悪くなることだってありえます。また、感情や気持ちは、抑えつけたらどんどんストレスが蓄積してしまうため、外に吐き出させることが大切です。
オモチャの取り合いで騒いでいたら、「〇〇くんはこれを貸してほしいんだって」「××くんはもう少し遊びたいんだって」と、両者の言いたいことを一度親が簡潔な言葉に整理して表現しましょう。
そうすれば、子どもは「自分の言いたいことをわかってもらえた」と思い、興奮状態から気持ちを静めることができます。そのあとで「じゃあ今遊んでいる××くんが1回使ったら、次は○○くんに渡して順番に遊ぼう」と、親が厳然とした態度で平等な遊び方を決めてしまうのです。
■名前をいれて褒めまくることで、自尊欲求を強化する
そして、うまく2人で遊べているときは、とにかく褒めます。
「貸してあげるんだ、優しい!」「順番守れて、さすがだね」と褒めまくることで、本人たちの自尊欲求が強化され、もっとそうした行動をとろうとがんばってくれます。