2018年シーズンのオフに2年連続でセ・リーグMVPとなっていた丸佳浩(前広島)と契約を結ぶなど、6年連続でフリーエージェント(FA)の選手が加入していた巨人。昨シーズンのオフにもFA市場の注目株だった鈴木大地(前ロッテ)と美馬学(前楽天)の獲得に乗り出したが、鈴木は楽天、美馬はロッテへの移籍が決まり、7年ぶりにFA選手の補強なしに終わった。
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鈴木と美馬の獲得には失敗したものの、巨人は昨シーズンのセ・リーグを制したことからもわかる通り、現有戦力でも十分に優勝が狙える位置にいる。常勝軍団でいなければならない巨人は、時に“過剰”ともいえる補強を敢行してきた歴史があるが、FA選手の獲得がなくとも球界の盟主らしく常に優勝を狙えるような戦力を有してきたのも事実だ。1993年のオフにFA制度ができて以降、巨人がFA選手を獲得しなかった年は10シーズンあるが、果たしてその年の成績はどうだったのかを検証してみた。
FA選手を補強せずに迎えたシーズンの順位は以下の通りとなった。また、他球団から外国人選手を獲得した場合は、実績のあるFA選手が加入したことと同等の影響があるため、前年に国内の他チームでプレーし、移籍してきた助っ人選手も考慮した。( )内はその年に他球団から加入した助っ人。△はシーズン途中に加入
1998年:3位(なし)
1999年:2位(△マルティネス)
2001年:2位(なし)
2003年:3位(ペタジーニ、ペドラザ)
2004年:3位(シコースキー、ローズ)
2005年:5位(△マレン)
2008年:1位(クルーン、グライシンガー、ラミレス)
2009年:1位(ゴンザレス)
2011年:3位(なし)
2013年:1位(なし)
データを見ると、やはり巨人は名門らしく成績は安定しているのがよくわかる。過去30年でも5度しかBクラスに落ちていないが、FA補強がなかった10シーズンでもBクラスに転落したのは堀内政権時代だった2005年の1度のみだ。FA制度の導入後、初めて補強なしで迎えた1998年シーズンから2007年まではリーグ優勝がなかったが、2008年からは4シーズン中3度セ・リーグを制覇しているように、近年はFA補強だけに頼らずとも成果を上げているのが読み取れる。