鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
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 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回のテーマは「振り切る力」。

【写真】「笑ってはいけない~」での「振り切り」が話題となった新しい地図の3人

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 大晦日の「笑ってはいけない~」に出演していた「新しい地図」の3人の出方を見て、改めて「振り切り」というマネージメントがいかに大切かというのが身に沁みた。

 SMAPと一緒に仕事をさせていただいてきた中で、数年に一度、すごい振り切りのマネージメントをする時があった。

 分かりやすい例で言うと、「古畑任三郎 vs SMAP」(1999年)。あのスケジュールのない中で、SMAP全員で出演。しかも本人役。ということは、SMAPが誰かを殺さないといけないわけです。もちろん殺人の理由に正義を作るとしてもなかなかショッキングな内容だし、ひよりそうなものです。だけど「おもしろい」を優先して成立させたことにより伝説を作る。

 年に一度、日本テレビで放送していた「さんま & SMAP」でのこと。ある年、番組内で誰か一人が罰として熱湯に入ることになっていた。そこで決まったのが「木村拓哉 熱湯風呂」。生放送で木村拓哉が熱湯に入る瞬間の毎分視聴率の上り方は凄かった。企画段階で5人のうちの誰が入ってもおかしくないわけだけど、当然、視聴者の期待もある。マネージメントはそれを理解してOKするわけである。この「振り切り」が伝説を生む。

 今回の「笑ってはいけない~」に新しい地図の3人が出演するという情報が週刊誌に出ていたが、僕は一切話を聞いてなかったし、わざわざ確認するのもおしゃれじゃないので、どうやって出るのか?と楽しみにしていた。

 そうしたらいきなり、草なぎ剛の全裸監督。これです。これなんです。出演するだけでも振り切っているのに、草なぎ剛に全裸監督をやらせることをOKしてしまうその振り切りぶり。

 もちろん、草なぎ君本人が即OKだったかわからないですが、マネージメントは本人に納得させるわけです。しかも松本さんに対して「中居派? 草なぎ派? どっち?」と言ってみたりとか。「こういうことやってくれないだろうな」ということを徹底的にやる。やらせる。徹底してやる。

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「スマスマでは“事件”が見たいんだよ」