浅沼晋太郎(撮影/写真部・高野楓菜)(ヘアメイク/中元美佳、スタイリスト/ヨシダミホ)
浅沼晋太郎(撮影/写真部・高野楓菜)(ヘアメイク/中元美佳、スタイリスト/ヨシダミホ)
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1月10日発売、1st写真集『POPCORN』より (C)Independent Works,Inc/fortunerest,Inc
1月10日発売、1st写真集『POPCORN』より (C)Independent Works,Inc/fortunerest,Inc

 彼は何者なんだろう? 

【写真集に収められなかった未公開ショットをお蔵出し】

 あるときはヤクザのラッパー、またあるときは、四畳半暮らしの自意識過剰な大学生。伝説のヒーローも、思慮深い正義漢の少年も違和感なく演じ分け、作品の描き出す世界に寄り添う。実力と人気を兼ね備えた声優・浅沼晋太郎(43)。この1月には初の写真集を刊行するなど、ジャンルを飛び越えた活躍に今もっとも注目を集めている“男”である。ところが、当人は「爪痕を残すより、まぎれ込みたい」と言って笑みを浮かべる。

 彼の正体は一体……?

 声優・浅沼晋太郎の真髄に迫った連続のインタビューの最終回。

第1回「30歳でデビュー。声優になりたいなんて思ってなかった」
第2回「43歳。まだなりたいものになれていない」

■初の写真集はあの映画監督がモチーフ

 今年1月10日に写真集『POPCORN』を上梓する声優・浅沼晋太郎。出版記念のイベントは開始3分でソールドアウト、ファン待望の写真集は意外なことに、デビュー13年目にして初めての試みだという。

「これまでにも写真集を出してみないかというお話はありがたいことに2度ほどいただいていたんですが、すべてお断りしてきたんです。そもそも、実を言うと写真を撮られるのが苦手で。もちろん、アニメ雑誌や声優雑誌の取材での写真撮影は何度も経験してきましたけど、作品やキャラクターを背負って、宣伝の意味も含めて数ページ分の写真を撮られるのと、浅沼晋太郎個人として、何十ページもある写真集を作るのとではわけが違う。コント用のメイクをしていないと芝居ができないっていう芸人さんがいるんですが、それと同じで、僕もある程度役が乗っかっていないと、どうしたらいいのかわからないという思いがあったんです。そんなとき、僕を撮りたいというカメラマンがいると聞いて、お会いしてお話ししたんです。すごく熱意がある方で、やりたくないこともやりたいことも全部言ってください、お互い楽しい仕事にしたいと言ってくださったんです」

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血まみれの手を洗い流している写真