●最多四球 山田哲人(ヤクルト)110四球
選球眼のよさをみせたのが、山田だ。セ・リーグの打率ランキングは30人中19位(.271)だが、四球を多く選んだことで出塁率は3位に(.401)。規定打席到達者のなかでは、打率と出塁率に最も差があったのが山田だった。
●最多死球 ブラッシュ(楽天)17死球
最も“痛い思い”をしたのはブラッシュ。シーズン中は死球を受けて、翌日の試合でスタメンから外れることも何度かあったが、長期離脱することなく128試合に出場し、チームトップタイの33本塁打を放った。死球のシーズン記録は2007年のラロッカ(オリックス)の28。
■今年ブレークのヤクルト・村上には粗さが目立った
【ワースト記録】
●最低打率(規定打席到達者が対象) 村上宗隆(ヤクルト).231
●最多三振 村上宗隆(ヤクルト)184三振
高卒2年目にして36本塁打を放ち、セ・リーグ新人王候補の村上。粗削りな打撃は伸びしろがある証明か。三振のシーズンワースト記録は93年のブライアント(近鉄)の204で、2、3位もブライアント。村上は歴代4位となった。
●盗塁失敗 鈴木誠也(広島)16盗塁死
初のトリプルスリーとはならなかった鈴木。今シーズンは自身最多の25盗塁を決め、セ・リーグ盗塁ランキングでは4位につけており、盗塁死数は企盗数の裏返しでもある。
●併殺打 ビシエド(中日)、ウィーラー(楽天)、大田泰示(日本ハム)22併殺
いずれも右打者が並んだ。意外なのは、走力のある大田がランクインしたことだ。
一般的に併殺打の多さは不名誉なことだとされるが、一方で強打者の証しとも言えるかもしれない。プロ通算併殺打のランキングをみると、1位が野村克也(378)、2位が衣笠祥雄(267)、その後も大杉勝男(266)、長嶋茂雄・中村紀洋(257)と強打者が名を連ねる。長嶋は1年目に37盗塁をするなど足は速かった。併殺打には、足の速さよりも打球速度や走者を置いた場面で打席に立つ回数、またバントよりも安打を期待される打力などが影響すると言えそうだ。
すでにお気づきかと思うが、今年のセ・リーグMVPの最有力候補と言われる巨人・坂本は主要タイトル獲得を逃した。それでも、打率.312(リーグ5位)、出塁率.396(同4位)、40本塁打(同2位)、94打点(同4位)、173安打(同2位)はいずれもチームトップ。遊撃手の40本塁打は85年の宇野勝(中日)の41本塁打以来、史上2人目の快挙だ。主将としてもチームを引っ張ってきただけに、MVPに最も近いのは坂本で間違いないだろう。
MVP・新人王の発表や、各タイトルの表彰は11月26日に行われる。
(AERA dot.編集部/井上啓太)