42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から2年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、幼稚園か保育園か……3歳になるチビに関する悩みについて。
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最近、仕事の現場に行って、共演者やスタッフさんと子どもの話で盛り上がることが多くなった。
来年3歳になるちび。そろそろ幼稚園のことを考えなくちゃいけない。
保育園で年長さんまで過ごすのか、それとも幼稚園に入園するか。
幼稚園に入れるとして、近所の私立を受験するか、公立を狙うか。
今の保育園は給食が出るが、幼稚園に入れた場合、お弁当になる。毎朝お弁当を作る生活が待ち受けている。
できるのか、私に……。
同業者のみなさんはどうしているのか?
いろいろ話を聞くと、公立派の人もいれば私立派の人も。
一概に公立だ私立だと言っても、園によって教育方針は様々なので、自分の子どもの性格に合う所を、という視点も大事そうなのだ。
それでいて家から近い場所。
毎日の送り迎えを考えると範囲は限られる。
その先の小学校、中学校と先々のことまで考え始めると気が遠くなる。
優先順位の一番目は、活発でひょうきんなちびが、のびのびと生活できるところだろうか。
それとも、放っておいても活発でのびのび育つのだから、むしろ規律をしっかり学べる所の方がいいのだろうか。
大人数でワイワイと?
少人数で細やかに?
うーん、どちらがいいのだろうか。
私は、四日市の、家から歩いて7分くらいの公立幼稚園に通った。
幼稚園生活のことはほとんど覚えていない。
凧揚げしたなー、とか、集団下校(下園?)してたな、とか。ほんの断片的な記憶がちょっとだけ。
田舎だから敷地が広くて、園舎も園庭も広かった。
でも、不思議なもので、園内の風景よりも、家から園までの通園路の方がよく覚えている。
歩きながら花を摘んだり、虫を捕まえたり、ドブを覗き込んだり、寄り道した帰り道。
そういえば、お弁当を持たせてもらっていたっけ。
共働きしていた母。
たまにおにぎりから母の香水の匂いがした。
炒り卵とインゲンと、椎茸のバター炒めの乗っかった、三色弁当が大好きだった。