チリの抗議デモに参加した山本和奈さん(山本和奈さん提供)
チリの抗議デモに参加した山本和奈さん(山本和奈さん提供)
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混乱が広がるサンティアゴの様子(山本和奈さん提供)
混乱が広がるサンティアゴの様子(山本和奈さん提供)

 覚えているだろうか。今年1月、国際基督教大4年の山本和奈さんが「週刊SPA!」の記事「ヤレる女子大学生」を批判したことを。このとき、山本さんは「週刊SPA!」編集部と話し合いを持ち、編集部から謝罪と反省の言葉を引き出している。このときのやりとりは、多くの人々から支持された。

 あれから10カ月が経った。

 山本さんは大学を卒業して、チリに滞在している(現在、一般社団法人Voice Up Japan代表理事をつとめる)。そのチリが、いま大変なことになっている。首都サンティアゴなどで、政府への抗議デモを行う市民と警官隊のあいだで激しい衝突が起こった。政府は非常事態宣言を発令し、夜間の外出が禁止されてしまった。

 山本さんはSNSでこんなリポートを送ってくれた。

「催涙ガスに3度もやられました。目は焼けるわ、涙は止まらないわ、吐き気もするわ。でも、その中でも医学部の学生や、赤十字が重曹入りの水を渡しあったり、国民同士がレモン、ティッシュを共有して助け合ったりしている姿に、希望が見えました」(10月21日。以下、すべてサンティアゴ現地時間)

 チリで何が起きているのだろうか。抗議デモのきっかけは、10月6日、燃料価格の上昇を理由に、サンティアゴの地下鉄運賃の約4パーセント引き上げが発表されたことだ。これに対して学生らが市街をデモ行進し、無賃乗車を繰り返すことで抗議の意を示した。やがて抗議活動は都市部に広がり、サンティアゴ中心部の駅や警察署が襲撃される。

 10月18日、ピニェラ大統領は非常事態宣言を出すとともに、19日には地下鉄運賃の値上げを凍結すると発表した。サンティアゴの治安維持を担う軍は、19日午後8時から21日朝6時までの外出禁止令を出した。地元検察の発表によれば20日夕方時点で、この日のデモに関連して約1500人が拘束されているという。チャドウィック内務大臣は記者会見で、「暴力や破壊行為がエスカレート」と説明している。衝突によってこれまでに15人が死亡した。22日、ピニェラ大統領は、国民に謝罪するとともに、基礎年金支給額の増額や最低賃金を引き上げるための補助金を出すことなどを明らかにした(AFPBBニュースから)。

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