2019年度の入試は、女子や多浪生の合格者が増えて、公平な入試になりました。最後のセンター試験となる20年度入試は、どのような入試になるのでしょうか。現在発売中の週刊朝日MOOK『医学部に入る2020』では、予備校関係者に取材し、20年度に「入試内容が変わる大学」や「6年間でかかる学費」を調査。参考にして、合格を勝ち取りましょう。
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2018年の夏、東京医科大の不正入試が発覚しました。その後、文部科学省が医学部入試の調査を実施し、「不適切入試」を行っていた大学名を公表。全国医学部長病院長会議も、医学部入試についての規範を公表しました。
この結果、19年度入試では、女子と多浪生の合格者が増え、公平な入試になりました。ある医学部に強い高校では、15年以上浪人した卒業生が合格。また、男女の合格率の差も縮まりました。
毎年数多くの医学部合格者を送り出す駿台予備学校市谷校舎・宮辺正大校舎長はこう話します。
「本校の生徒は、国公立大志望者が多いですが、多くの生徒が私立大も併願します。特に私立大では、昨年よりも女子の合格者数が増えました」
■国公立後期の志願者が増え、前期と私立大は微減
19年度入試の志願者数を、みてみましょう。
まずは国公立大から。前期日程(以下、前期)の志願者数は1万6390人で、前年比96%の微減です。しかし、後期日程(以下、後期)の志願者数は9081人で、前年比101%と、微増です。
前後期を合わせた志願者数は2万5471人で、前年比98%。志願者数は前年より562人の減少です。
前期の志願倍率は12年度の5・7倍がピークで、徐々に下がっています。しかし、後期の志願倍率は12年度の21倍のピークのあとも、前年より高かったり、低かったりを繰り返し、19年度は17・3倍で、前年の16・6倍より高くなっています。
19年度の後期試験で志願者数が増えたのはどうしてでしょうか。