20年度の国公立大入試の主な変更点を知っておきましょう。唯一面接を行っていなかった九州大が面接を始め、これで全大学が面接を実施することになります。

「面接導入の九州大は、第1段階選抜の基準が4倍から2・5倍になるため、敬遠されるかもしれません」(駿台の宮辺校舎長)
 
 近年、医学を学ぶことに対するモチベーションの高さや医師としての資質などを見極めるために、面接重視の傾向が強まっています。面接時間を長くするために、二段階選抜の倍率を厳しくする大学も増えています。

「国公立大も私立大も、面接重視の傾向が強まっています。将来は面接で逆転できるかもしれません」(メディカルラボの可児さん)

 また、福島県立医科大、鳥取大、広島大では一般選抜の後期を廃止します。駿台の宮辺校舎長は、後期を廃止する大学が年々増える傾向について、「早めに入学者を確定したいのでしょう」と分析します。
 
 一方、難関の大阪大は、センターが500点、2次が600点でしたが、20年度は2次が1500点で、2次試験重視になります。

■私立大の主な変更点、入試方式の多様化

 20年度も、私立大では多様な入試が導入されます。
 
 東京慈恵会医科大では、一般試験の出願書類に英語の外部検定試験結果を任意で提出することができます。

「杏林大、関西医科大などでは、センター利用の後期を新規実施します。国公立大志望者の併願先になりそうです」(メディカルラボの可児さん)
 
 地域枠入試を導入する大学もあります。北里大は地域枠指定校推薦を新規実施、聖マリアンナ医科大も神奈川県地域枠入試を新規実施予定です。
 
 金沢医科大では、19年度は推薦の指定地域が石川県だけでしたが、20年度は富山県と福井県が加わります。また、全国医学部長病院長会議が公表した「医学部入試についての規範」に基づき、卒業生子女入学試験を実施します。

■医学部の入試難易度と学費は反比例する!

 私立大医学部で「6年間でかかる学費」を安い順に示しました。
 

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「難易度と学費」反比例の法則