駿台の宮辺校舎長は、国公立大医学部の志願者数の増減に大きく影響する要素として、センター試験(以下、センター)の科目の難易度や平均点をあげます。

「19年度は、理系の生徒が比較的苦手とする国語の平均点が前年より16・9点もアップし、全体の平均点も前年より12点高くなりました。18年度駿台の模試の志望動向をみて、もう少し志願者数が減ると予測していたのですが、思ったよりも前期の志願者数が減りませんでしたし、後期の志願
者数は増えました。センターで高得点がとれたので、あきらめずに出願したのだと思います」
 
 国公立大の志願者数の増減に影響するその他の要因としては、隔年現象、入試科目や配点の変更、2段階選抜の導入などがあります。
 
 隔年現象とは、前年の倍率が高い大学を敬遠し、前年の倍率が低い大学に志願者が集まる現象のことです。隔年で増加、減少を繰り返している大学も少なくありません。
 
 駿台の宮辺校舎長は国公立大志望者に向けて、こうアドバイスします。

「苦手科目を作らないようにしましょう。高3になると英数理にかける時間がどうしても多くなるため、高1の、比較的時間に余裕のあるときからしっかりと国語の勉強をすることが大切です。また、隔年現象がありますから、前年の倍率だけではなく、過去数年分をチェックしてください。前年の倍率が高い大学は敬遠される可能性が高いため、逆に狙い目だといえます」 

  河合塾麹町校の神本優校舎長も次のように話します。

「難関の国公立大志望者は、英語と理科の完成度が高く、数学で差がつきますので、数学の力をつけることが重要です。私立大に合格したけれど、
国公立大や私立大の上位校を目指して浪人する生徒も徐々に増えてきています」

■試験日の重複に影響か? 私立大の志願者数は減少

 次に、私立大の志願者数と志願倍率の推移をみてみましょう。
 
 私立大の志願者数は、00年度から18年連続で増え続けていましたが、19年度は10万2897人で、前年と比べると6320人減少。国際医療福祉大、愛知医科大などは志願者を増やしましたが、多くの私立大では志願者数を減らしました。特に減少したのが、不正入試が発覚した東京医科大。追加合格によって一般入試の定員が75人から34人へと半減したことなどから敬遠され、志願者数は前年の2935人から1313人になり、大幅に減りました。
 

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私立大の志願者数、現象の理由