「あとね、多くのお店が、店の都合で作ったルールにお客さんを合わせさせるでしょ?その時点でホスピタリティーが高いわけないんです。『あれ、こちらって、何時から何時まででしたっけ?』と聞いた時に『何時にお越しですか?その時間にお待ちしております』というお店が人生で何軒あったかと。もちろん、そこまでを求めるのも酷だし、求めてもないんですけど、実際にそういうお店もある。ただ、そんなお店があることを知らないまま人生を終える人がほとんど。こうなると『そんな店、むちゃくちゃ高いんやろ?』となりそうですけど、別に高級店じゃなくてもそういう心遣いをされるお店もあるんです。でも、圧倒的に少ない」
さらに、ロケで各国をまわって感じるのは環境問題への意識の高さと低さ。オランダでは道路のいたるところにコンセントがあり、電気自動車がたくさん走っていた。一方、アフリカのある国では、黒煙をもうもうと上げるようなガソリン車が走っていて、河川の一部にうず高く生活ごみが廃棄されていた。
「こんなところにゴミを置いたらアカンがな」と注意すると「大丈夫!雨期になったら、全部海に流れるから」とあっけらかんと答えられ、世界の中のあまりの振れ幅に頭が追い付かなくなったこともあったという。
「それでいうと、日本の環境への意識はかなり低いですよ。僕らが小さい頃は『石油がなくなるから石油を大事にしよう』という教育でしたもん。『石油がなくても暮らせるようにしようではなく』。そこらへんはヨーロッパは進んでますもんね。今の日本はそこらへんの社会の仕組みを作っているオッサンの意識が低いから、そら、国全体の意識が低くなってしまいますよね…。そこが変わらんと。ま、オランダやアフリカを経て、日本に戻って羽田に停めていたオレの車、よう考えたらバリバリのガソリン車やった時は、改めてガクンときたけどね(笑)」
社会に対する疑問点をまとめた本を出して、周囲から何かしら反響はあったのか。意外な答えが返ってきた。
「全くございません(笑)。僕、普通にインスタグラムとかしてるんですけど、ダイレクトメールで『読みました!』とかもきません。この前、仕事で行った仙台のテレビ局のアナウンサーさんが「本屋さんを3つまわりましたけど、全部売り切れでした」と言ってましたけど、今の売り上げ部数を聞いたら『あ、あいつは気を使ってウソついてくれたんやな』と思いました…。ウソも気遣い。良いウソですよ。その日は機嫌よく仕事しましたから。それもホスピタリティーです(笑)」