「日本って、飲食店のサービスがいいみたいなことを言われるでしょ?でもね、海外の人からしたら、ガッカリして帰る方が多いと思います。残念ながら」
デビュー30周年を迎え、ここにきてさらにオンリーワンの色を見せているのがお笑いコンビ「千原兄弟」の千原せいじだ。
テレビ番組の企画などで月に一回は海外ロケに出て、ワールドワイドに物おじしない性格をいかんなく発揮してきた。情報番組のコメンテーターなどをしても、自分を貫くコメントで芸人仲間からも一目置かれる存在にもなっている。
さらに自分の中の“揺るがないもの”を堅固にするためにも、7月には著書「プロに訊いたら驚いた!ニッポンどうなん?」を上梓。
経済学者や軍事アナリスト、カジノ研究者などの専門家に「結局、年金ってもらえるの?」「自衛隊のレベルは世界と比べてどうなん?」「日本人って、なんで成功した人を叩くん?」「カジノの何がダメなんですか?」といった自らが感じている素朴な疑問をぶつけ、日本の矛盾を問う内容だ。
本が出てから約2カ月。本を書いてみて、さらに世の中を見る目が深まり、おかしいことだらけという思いも強まった。実際に、何に違和感を覚えるのか。尋ねてみた。
海外と日本を行き来する中、最近頓に強く感じるのが冒頭にも示した飲食店への違和感だという。
「ホスピタリティーが本当に高いのか。オレ、そんなことないと思うんですよね。この前、ドバイに行った時に、現地の人間に言われたんです。『なぜ、日本人はお店の中で叫ぶのか?』と。いちいち『すみませーん!』と叫ぶだろうと。あれを見ると『おー、日本に来たなぁ!』と思うと。すごくある種の異国情緒があって楽しいらしいですけど、異質にも映るんですって。これって、逆に言うと『すみませんと言わないと、店員さんが来てくれない』ということ。だから、結局、サービスができてないととらえるんです」
客が今何を求めているのか。そこを出すぎない形で察知し、さりげなく心地よさをサポートする。それこそがサービスであるはずだが、実は、日本の多くの飲食店はそこができていないと指摘する。