日本は現在世界ランキング10位、ロシアは20位だが、大畑さんも「日本とロシアの差はそれほど開いていない。だからこそ非常に重要な試合だといえます」と語る。
その重要な試合に勝つために大切なことは何か。ロシア代表のプレーの特徴は、身体の大きなフォワードによる力押しとキックにあり、日本代表に必要なのは「とにかくボールを動かしていくこと」だと大畑さんは指摘する。
大畑:ロシアは戦い方がシンプルです。だから、身体差が生まれやすい1対1の関係を作らせないことと、キックに対する対応、そして接点をより前に持っていくことが大切です。
ロシアには体の大きなフォワードがたくさんいますが、そういう選手を背走させることが、日本にとって有利に試合を運ぶカギになる。体の大きな選手は前に進む力は強いものの、後ろに下がるのは苦手です。それが背走させるという意味で、背走すると体力を非常に消耗するものなんです。
ロシアは、エリアを前に進ませなければ、それほど恐い相手ではありません。スペースを詰めたり、ディフェンスのずれをなくしたりするなどの、エリアマネジメントがとても大事になってきます。とにかくボールを動かしていくことがとても重要なんです。
そして、現在の日本代表は「人とボールが動くラグビー」ができている、と大畑さん。前回の2015年大会ではパスで横にボールを動かすことを主としていたが、いまはキックを有効に使って相手の背後にボールを運ぶことで背走させ、エリアを前に進める戦略を取っていると解説する。
大畑:ディフェンスの場合は勤勉にプレッシャーをかける。この勤勉さが日本ラグビーの最大の特徴といえるでしょう。日本人らしいともいえる、常にひたむきにボールに向かっていく姿を見てほしいですね。
日本対ロシア戦は9月20日の19時45分から、東京・調布の東京スタジアムで行われる。全国の開催地に設けられた無料のファンゾーンの大型ビジョンや地上波でもライブ中継が楽しめるので、一生に一度の“お祭り”に乗ってみてはどうだろうか。