医学部に強い高校の特徴がわかったら、地域別に医学部に強い高校をみてみましょう。

●北海道
 国公立大合格者数トップ40には、2年連続で全国の公立トップの札幌南が8位に、私立の北嶺が28位にランクイン。しかし、私立大のトップ40には1校も入りませんでした。
 
 北嶺は卒業生の約3分の1が医学部に進学。医学部志望者向けの「北嶺メディカルスクール」や、寮に入って国公立大医学部や東大を目指す「青雲寮コース」が人気です。
  
●東北
 国公立大トップ40にランクインしたのは、19位の仙台第二(宮城)と33位の秋田(秋田)の2校。
 
 国公立大に9人以上合格した高校は青森に3校、宮城と山形に各2校、秋田と福島と岩手は1校です。岩手には国公立大がないため、盛岡第一は岩手医科大16人を含む32人が私立大に合格しました。

●関東
 国公立大が6大学もあり、私立大+大学校は19大学もあります。首都圏の四つの国公立大は難関なので、それらに不合格だった生徒が首都圏の私立大に進むケースや、地方の国公立大に合格しても自宅から通える私立大を選ぶケースも少なくありません。特に、女子にその傾向が強いようです。
 
 まず、国公立大のランキングを見てみましょう。トップ10に入ったのは4位の開成(東京)だけですが、トップ40位には、東京の駒場東邦、桜蔭、豊島岡女子学園、海城、千葉の渋谷教育学園幕張の5校がランクイン。いずれも中学入試の偏差値が高い中高一貫校です。
 
 私立大のトップ40には過半数の25校、トップ10には8校が入りました。トップは巣鴨(東京)。昨年は81人で2位でしたが、今年は138人と大幅に合格者数を増やしました。

「一人当たりの受験校数は例年並みです。浪人生の合格者が増えたのが、ひとつの要因だと思います」(森山敦史進路指導部長)

 巣鴨は中3・高1の1クラスを「数学クラス」と称し、数学上位者がそろっています。また、高2・高3の英語・数学、高3の国語・理科は習熟度別のクラス編成。さらに、高3の希望者は夏期・冬期・直前の講習で医系英語を受講できるほか、11月に医学部模擬面接も実施。

「生徒と保護者からの意向が強く、4~5年前からは、毎年約240人のうち60~80人が医学部を目指しています。OBや大学教授による講演会のほか、イートン校サマースクールの期間中には、オックスフォード大学の医師による講演会なども行っています」(同)

●中部
 国公立大トップ40に、12年連続全国トップの東海(愛知)など8校が入りました。東海、滝、南山は私立大にもランクイン。5校が入った愛知には国公立大、私立大が各2大学あり、岐阜や三重、静岡などの国立大にも通いやすいため、医学部人気は特に高いです。

 東海は、医学部受験に特化した指導は、特に行っていないといいます。

「年2回行う土曜市民公開講座『サタデープログラム』の講座の企画、講師依頼、運営などや、9月の文化祭の企画、運営も基本的に生徒に任せており、自主性を育てています。愛知は医学部人気が高く、本校も医師の子どもが多いため医学部志望が多いですね」(紺野一弘学習指導部長)

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地域別、医学部に強い高校(関西~九州・沖縄)