2019 年入試で全国の医学部に強い高校からどの医学部に何人合格したか、現在発売中の週刊朝日MOOK『医学部に入る2020』で調査している。「国公立大学」と「私立大学+大学校」別の合格者数をみると、その高校の実力がわかる。また、「医学部合格者数トップ40」に入ると、医学部を志望する優秀な生徒がさらに集まる。合格実績をみて、学校選びの参考にしてほしい。
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難関の医学部を目指すなら、まず、医学部に合格実績がある高校に通うことを目標にしましょう。
2019年の国公立大医学部医学科(以下、国公立大)、私立大+大学校医学部医学科(以下、私立大)それぞれの合格者数トップ40の高校を表にしました。(本誌では国公立大に9人以上合格した172校を、私立大に11人以上合格した185校を掲載しています)
■医学部に強い高校の特徴とは何か?
医学部に強い高校には、いくつかの共通点があります。まずはその特徴を知っておきましょう。
【私立の中高一貫校が強い】
表を見ると、私立を示す〇が目立ちます。国公立大合格者数トップ40のうち26校が私立の中高一貫校で、トップテンは8位の札幌南(北海道)以外は、私立の中高一貫校です。私立大トップ40の42校をみると、24位の東京学芸大附(東京)以外は、すべて私立の中高一貫校です。
高校から入学できない完全中高一貫校で学ぶためには、小学生のときから中学受験塾に通い、中学受験することが必要です。
【地方は公立のトップ校が強い】
中高一貫校がない県では、その県トップの進学校の生徒が、地元の国公立大に進むケースが多い。国公立大ランキングに公立が13校ランクインしていますが、いずれも道県の名門進学校です。
【医学部志望者向けのコースやプログラムがある】
国公立大12位、私立大10位の四天王寺(大阪)が、14年度に「医志コース」を中学に設置。国公立大19位の仙台第二(宮城)は、10年度から医師になる心構えを育てるプログラム「医進会」を開始しました。国公立大28位の北嶺(北海道)は、昨年度から医学部志望者向けに「北嶺メディカルスクール」を始めています。
私立大ランキング15位の開智(埼玉)、18位の広尾学園(東京)、21位の江戸川学園取手(茨城)のほか、公立の戸山(東京)、新潟(新潟)、修猷館(福岡)、私立の川崎医科大附(岡山)などにも、医学部志望者向けのコースやプログラムがあります。
【寮がある】 寮がある学校には、全国から優秀な生徒が集まる傾向があります。寮生活を通じて、医師に必要なコミュニケーション能力や協調性、規則正しい生活、勉強する習慣などが身につきます。
ランキング表に出てくる高校では、国公立3位、私立27位の洛南(京都)、国公立5位、私立11位のラ・サール(鹿児島)、国公立7位の久留米大附設(福岡)、国公立9位、私立27位の愛光(愛媛)、国公立14位、私立21位の白陵(兵庫)、国公立26位の西大和学園(奈良)、国公立28位の北嶺(北海道)、国公立37位の土佐(高知)、私立29位の岡山白陵(岡山)、私立30位の青雲(長崎)などに寮があります。