『ジャンヌ・ダルク』の製作発表に出てきました。
演出の白井晃さんに音楽の三宅純さん、それに脚本の僕。
主役の堀北真希さんや伊藤英明さんを始めキャストもずらりと13人。
これだけ人数の多い製作発表も初めてでしたが、これだけ「ホンが出来ていない」ということが話題になったのも初めてでした。
地道にやってはいますが、時間がかかっているのも事実ですね。
そういえば、製作発表の時に出た質問で、「17歳から19歳までの間、キャストのみなさんは何をしていましたか」というのがありました。
ジャンヌ・ダルクが歴史の表舞台に現れたのが17の時。ですがわずか19歳で火あぶりの刑に処せられる。それにひっかけた質問です。
キャストのみなさん、その年齢の頃は俳優なんて職業を意識している人は意外と少なかった。
ただ、僕は高校演劇をやっていたので、17歳の頃にはもう芝居の台本を書いていて、ちょうど新感線の主宰のいのうえひでのりと出会った時期だし、19歳だともういのうえとユニットを組んで一緒に芝居作りをしていたなあと思っていました。
今振り返ると、自分の人生は、17くらいのところで概ね決まっていたんだなあとも思えますね。
その頃でもマンガもアニメも卒業出来なくて、自分が"おたく"という意識(あの当時には、この言葉はなかったので正確には"マニア"という意識かな)もありましたしね。
あんまり変わってない気がするのに、あっという間に50歳を過ぎてしまいました。早いものです。
「お前は何をしてきたのだと 吹き来る風が私に云う」というような気持ちにもなります。
と、いうわけでもないのですが、この歳で大きな決断をしました。
会社に退職願を出したのです。
二足のわらじを履き続けるには、さすがに身体がもたなくなってきたこともありますし、残された時間を考えると、この辺で物書きに集中したいという気持ちもありました。 無事受理され、8月には会社を辞めることになりました。
大学を出てから28年間、会社員としての生活を送ってきたので(そりゃ、編集時代から出勤時間こそ不規則でしたが)、今後どういう生活リズムになるか、まだ予想がつきません。
自由な時間が増えたからといって、仕事が倍出来るというものでもないだろうなとは思います。
この不況時に、会社を辞めて大丈夫かという不安もありますが、まあ、先が読めないということで言えば、出版業界だって同じ事。iPadを代表とする、電子出版という、大きな変革の波が来ています。
メディアが大きく変わっても、そこで流通させるソフトは絶対に必要です。むしろ、そちらの仕事をメインでやる方が、いいかもしれない。
まあ、とりあえず今は、ジャンヌの短くも輝いた2年間の物語をさっさと書き上げるのが一番やらなきゃならない仕事です。