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42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から2年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、3つのドラマ撮影が重なった大忙しの梅雨について。
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重なるものだ。
暇な時は週4日も休みがあったりするのに、重なる時は重なるもので、6月は全く休みがなかった。
3つの作品が重なって、そのうちの1つは京都での撮影のため、毎週京都に出張しつつ、東京に戻れば2つの作品を行き来しているという状況。
移動時間にセリフを覚えて、待ち時間にもセリフを覚えて、今ごろチビはなにしてるだろうかと考え、早く帰れそうな日は夕食の献立を考え。
夫の公演も重なり、保育園の送り迎えに手が足りなくなったので、義理の母に泊まりに来てもらうという緊急処置を敢行したりした。
いつもは私か夫どちらかが、17時過ぎに迎えに行くのだが19時まで延長して、保育園で夕食を出してもらったり、週末、私も夫も仕事で出る時は私の実家で預かってもらったり、とにかく手を借りまくった。
チビは久々に会うばあばにたっぷり甘え、ノリノリで保育園での夕食を完食し、私の実家では姪っ子たちに遊んでもらって幸い楽しく過ごしてくれていたようである。その隙に私はとにかく何かと重なってしまった7月半ばまでの鬼のスケジュールを乗り切るべく奔走中なのだ。
よくよく考えてみると、ひと月に3役を掛け持つのは初めてかもしれない。
しかし、全く混乱する事はない。
なぜならどの役もそれぞれにクセが強いキャラクターだからだ。
しかも、内二つはシリーズもので過去に演じたものだから。
京都で撮影する朝ドラ「スカーレット」だけが、新規の役。
なんと、20代の設定。主人公の半生を描く朝ドラならではの無茶である。今月で45になった私が、しれっと20代を演じているのだ。
主人公の戸田恵梨香さんは10 代の設定。